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272 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 22:55:32.09 ID:JBZe7/k+O
 …、どうしよう。何も良い方法が思い付かねえ!

 そうこうしているうちに事件は起きた。

川 ゚ -゚)「……あ、」
川 ゚ -゚)「…お前、それ」

 クーの視線ははっきりと俺のソコに注がれていた。

( 'A`)

('A` )

('A`)


(;'A`)「こ、これは、その」
川;゚ -゚)「これはその?何なんだ?」
(;;'A`)「いやいや、だから、」

ピキーン!

(゚A゚)「これは男の生理現象じゃーい!!」

279 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:06:08.12 ID:JBZe7/k+O
(゚A゚)

川 ゚ -゚)「そうか」

(゚A゚)

あ、それだけ…なんすか。無駄に声張ることなかったな…、なんか。

しばし呆然としているとクーが同情し始める。いやいや勘弁してくださいよ、恥ずかしくて死にそうなんだよ。

川 ゚ -゚)「いや生理現象なんだろ? 恥ずかしいことなんか何もないじゃないか」
 恥ずかしいことありすぎるっつーんだよバーロー!
川 ゚ -゚)「男ってのは…大変な生き物なんだな、」
もういい、しゃべんな馬鹿。

280 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:06:48.86 ID:JBZe7/k+O
何も返せずうつむくと、椅子から立ってクーがこっちに近付いて来た。

('A`)「…何だよ」

川 ゚ -゚)「あ、いや…」

クーが悪戯っぽく笑った。

川 ゚ー゚)「私が抜いてやろうか?」

('A`)「!」

川 ゚ ー゚)「なんてな」

ハハハ、と笑いながら席に戻るクー。

一体何がしたかったのか俺には理解出来ないがとりあえず、

(;'A`)「(こ、腰にきた…)」

284 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:12:17.49 ID:JBZe7/k+O
それから俺が急いでトイレに行ったのは言うまでもない。帰って来た時にはすでに人がいて、クーさんと二人っきりになれなかったわけなのだが。
クーさんは俺の姿を認めるとニヤリと笑って

川 ゚ー゚)「オツカレ」

と口の形で伝えて来た。

 …余計なお世話だバーロー…

289 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:20:14.20 ID:JBZe7/k+O
――キーンコーンカーンコーン
ホームルームも終わり、次の授業まであと十分。
ツンは具合が悪いのだろうか、机に突っ伏して寝ている。クーは相変わらず背筋伸ばして座ってる。
 内藤はまだ来ていないようだ。さくらんぼナースの刺激が強すぎたのだろうか?なんてな。

('A`)「それにしても喉乾いたな…」

俺は自販機に行くことにした。自販機は一回、下駄箱の近くに設置してある。

さあ、行くか
俺は――

*選択肢発生*

1.黒板側の扉から出る
2.ロッカー側の扉から出る

298 名前: 童貞は守るモノだ ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:28:02.55 ID:JBZe7/k+O
俺はロッカー側のドアから出た。いや、出ようとした。

――だが、

???「ふきゃあっ!?」
('A`)「うわあ!?」

柔らかい何かに猛烈に突っ込まれて、俺は倒れそうになる。それはあっちも同じだったようで、

(*゚ー゚)「あうー…」

ふわふわの髪の女の子は堅い廊下の床に思い切り尻餅をついていた。

302 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:35:31.60 ID:JBZe7/k+O
('A`)「…だ、大丈夫か?」
 思わず手を差し出すと、ふわふわの少女はにっこり笑ってそれに応えた。

(*゚ー゚)「ありがと」
('A`)「お、おう」
 それにしても軽い。このこが小柄だからだろうか。

(*゚ー゚)「あいたたたあ。ついてないなあ、こりゃ」
ふわふわの少女は尻をさすってスカートについたホコリを落とし始めた。
303 名前: snegをスネッグと読んでしまう俺ガイル ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:36:54.45 ID:JBZe7/k+O
 …つか、同級生だよな? この子。制服のバッヂも一緒の色だし。
いや、しかしこれが高二かよ。

ふわふわの栗毛の髪。くりんとした瞳。小さい顔。140センチくらいの背。

 エロゲだったらロリktkr!な展開なんだが実際にこういう子っているんだなー。

305 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:41:47.17 ID:JBZe7/k+O
(*゚ー゚)「いやあ、ほんっとごめんねー!いきなり突っ込んじゃって」
('A`)「いや、良いんだ。気にするな」
見た目に似合わず活発な性格なんだな、とぼんやり思う。
(*゚ー゚)「あたしって短距離選手だからかなあー、何かいつも走っちゃうんだよねー」
あはは!と豪快に笑う。つられて俺までもが笑ってしまう。

306 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:48:51.56 ID:JBZe7/k+O
('A`)「短距離選手ってことは陸上部なのか?」

(*゚ー゚)「そっ! 我が校が誇る駿足の持ち主! しぃったあ、あたしのことだよ!」

('A`)「お、おう…そうか」
 これは付いて行けないかも分からんね。

(*゚ー゚)「ん? ドクオ君はどうしてあたしとぶつかったのかな!?」

('A`)「? いや、別にわざととかじゃねえぞ。つか何で俺のなま…」

(*゚ー゚)「そんなの分かってるよ! どこに行こうとしてたのかって!」

309 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:58:21.19 ID:JBZe7/k+O
 ああ、そういうことかい。
('A`)「俺は下でジュースを…」

――キーンコーンカーンコーン

(*゚ー゚)「あ」
('A`)「あ」

( ´∀`)「おいさっさと席着けー」

む、無念。倫理のモナーは遅刻とかにうるさいんだよな。残念だがあきらめよう。

310 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:58:51.59 ID:JBZe7/k+O
(*゚ー゚)「じゃあこれあげるよ!」

 小さいサイズのスポーツ飲料を渡される。

(*゚ー゚)「大丈夫、開けてないやつだからさっ! 引き止めちゃったお詫び!」
('A`)「だ、だけど」
(*゚ー゚)「いいのいいの!その代わり、」
オレンジ色のリングノートを渡される。

(*゚ー゚)「これをツンに渡してくれれば良いからっ!」

311 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 23:59:41.22 ID:JBZe7/k+O
('A`)「は…把握…、いや、でも」
 やっぱり悪いし。

…しぃの姿はもうなかった。

( ´∀`)「おい、ドクオ座れコラ」
('A`)「あ、すいません」

 …なんか変な子だったな。そう思いながらこっそり飲む。冷たさが喉に心地よかった。

ξ゚听)ξ「……」

312 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:04:32.04 ID:HFUqNkouO
 
――…

モナーの長ったらしい授業が終わり、休み時間。

 内藤はまだ来てない。

さて、何しよっかな。



**選択肢発生**

1.ツンのところへ
2.内藤に電話
3.クーに消しゴムを投げてみる
4.しぃにお礼を言いにいく

322 名前: クーは愛されているんだな ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:14:04.47 ID:HFUqNkouO
ふと、あの背中が目に入った。微動だにしない、背中。
 …悪戯心がわいてきた。

消しゴムを手に取り、俺は照準を定める。

クーさんの席は一番前。俺の席は前から三番目。俺の左隣の列だ。

だからまあ、当たるに決まっているわけで

('A`)o彡゚「おりゃ」

川 ゚ -゚)「!!」

325 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:24:42.01 ID:HFUqNkouO
 当たった当たった。うん、でもいまいち面白い反応は得られなかったな。ちょっとがっかりだ。

川 ゚ -゚)「…ドクオ」

 クーはゆっくりと後ろを振り向いた。手にはなんとシャーペンが握られている。

川 ゚ -゚)「…まあなんだ、ドクオ君」

('A`)「はい、何でしょうクーさん」

川 ゚ -゚)「覚悟しろ!」

326 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:25:07.88 ID:HFUqNkouO
クーが椅子から立ち上がったのと同時に、俺はドアへと駆け出した。
いや、だってあの人シャーペン持ってるよ? これは逃げるしかNEEEEE!

川 ゚ -゚)「待てこのおお!」
 クーが走って追いかけて来る。

('A`)「だ、誰が待つか!」

やばい、クーは本気だ。もし捕まったら…殺 ら れ る 。

327 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:25:33.75 ID:HFUqNkouO
 俺は必死こいて逃げ回った。


――…


 まあなんだ。結果から言おうか。

(::)'A`)「本当にすいませんでした」
川 ゚ -゚)「分かれば良い」

ここは屋上。
あんまりにも必死に逃げてるうちに屋上に来てしまった。当然屋上に逃げ場はない。俺はあっさりと捕まり、数々の暴行を受け今ここにいる。

329 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:29:01.47 ID:HFUqNkouO
川 ゚ -゚)「だいたい人に物を投げるとはどういう教育を受けて来たんだよ」

('A`)「サーセン」

川 ゚ -゚)「まったく…」


遠くでチャイムの音が聞こえる。授業が始まってしまったようだ。


('A`)「あー…、」
川 ゚ -゚)「戻るか?」
('A`)「今から戻ってもな…」
くどくど怒られるだけだろ、だるい。

川 ゚ -゚)「…そうだな、じゃあ私もさぼろう」

そう言うとクーさんは俺の隣でごろりと横になった。

330 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:32:41.35 ID:HFUqNkouO
('A`)「お前もさぼるのかよ」
以外だった。無遅刻無欠席のこの人が、こんなあっさり良いのだろうか。
川 ゚ -゚)「生まれて始めてのさぼりだ…」
クーさんはうーんと伸びをして笑った。
川 ゚ー゚)「お前と一緒というのも、悪くない」

(*'A`)「そうかよ」

失礼して俺もクーの隣で横になる。


 冬の空は雲が高いことを改めて感じた。

332 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:35:40.45 ID:HFUqNkouO
('A`)「…」

川 ゚ -゚)「…」

('A`)「…なあ、クー…さん」

川 ゚ -゚)「クーで良い」

('A`)「…、なあ、クー」

川 ゚ -゚)「何だ?」

('A`)「お前、さ」


 **選択肢発生**
1.将来の夢とかあんの?
2.恋とかしてるの?
3.好きな人いんのか?

344 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:47:29.02 ID:HFUqNkouO
 言うのを少し躊躇しそうになる。ええい、男は度胸。何でも試してみるものさ。



(*'A`)「す、好きな人とか、いんのか?」

川 ゚ -゚)「……え、」

 クーはしばらく何かを考えているようだった。

 クーは仏頂面で、
川*゚ -゚)「こういう形は嫌だ」
とぶっきらぼうに吐き捨てた。

…怒ったのか、そのまま横向きになってしまった。背中しか見えない。

345 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:48:25.94 ID:HFUqNkouO
('A`)「秘密、ってことかよ…」

 聞いちゃいけなかったのかもしれないけど、もう遅い。
それから妙な空気になった俺たちは、どちらからともなく冬に屋上はきつい、と言って冷えた体を暖めに図書室へ向かったのだった。



なんか、どきがむねむねするぜ。変な感じだ。

351 名前: 女心は複雑なんだよ ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 00:56:38.93 ID:HFUqNkouO
――何だかんだで、昼休み

( ^ω^)「おっおっおっ〜!おはようだお!」

騒々しいあいつは昼休み前に騒々しくやってきた。
 一応遅刻の理由を聞いてみると、

( ^ω^)「さくらんぼナースやり込みまくってますた」

 うん、やっぱな。聞く価値もねえや。


( ^ω^)「おっ〜! ドクオはブーンがいなくて寂しかったかお??」

**自由記述発生**

え、ごはん?

361 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 01:08:15.97 ID:HFUqNkouO
('A`)「え、ごはん? なに、お前そんな腹減ってんの? じゃあ食堂でパンでも買って来い!」

一気にまくし立てて内藤を食堂へ向かわせる。
俺はやきそばパンな、と付け加えるのを忘れない。

( ^ω^)ノシ「行って来るお!」

⊂二二二二( ^ω^)二二二⊃ブーン

あ、向こうのDQNが爆笑してる。

362 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 01:09:56.40 ID:HFUqNkouO
内藤を待ってる間暇な俺。と、そこに食堂帰りのツンが通り掛かった。
…さっきのノート渡さないとな。

オレンジのリングノートを持って、ツンの机に向かった。

('A`)「よ!」
ξ゚听)ξ「ああ、アンタ。さっきは何やってたのよ」
('A`)「まあまあ、それよりこれ」
ξ゚听)ξ「あ、しぃからのね。ありがとう」

444 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/05(月) 19:06:34.72 ID:HFUqNkouO
…ん?何となく、ツンの言い方にとげがあるような。

('A`)「なんか怒ってんのかよ」

ξ ゚听)ξ「…、別に」

一瞥して、ツンはすっと俺から目を逸らす。なんだよ、やっぱ怒ってんじゃねーか!

('A`)「おい、俺はお前にそんな態度とられるような行動はしてないはずだぞ」

ξ゚听)ξ「……、」

445 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:07:02.86 ID:HFUqNkouO
('A`)「…俺に言いたいことあんなら言え」

じゃないと気持ち悪いだろ。理由も分からないのに嫌われてるとか。

 ツンはうつむいてごめん、と小声で言った。

('A`)「で、何が気に食わなかったんだよ」

ξ*゚听)ξ「…、…それは、その…」

('A`)「その?」

ξ/////)ξ「…、…ちょっ! ちょっとアンタがクーさんと仲良さそうだから気になっただけよ! べべべ別に深い意味なんかないんだからっ! 別にヤキモチとかじゃないんだから!」


446 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:07:35.01 ID:HFUqNkouO
やきもち? 焼き餅?
あー、焼いた餅には醤油かけてのりがベストだよなー…、って違う。
 なんのことだ。
なぜヤキモチだの言う。

ξ////)ξ「だっ、だから深い意味はないって言ってるでしょ!? そんな考え込まないでよ!!」

ぽかぽかと殴られる。

447 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:08:02.09 ID:HFUqNkouO
('A`)「いっ、こら痛いぞおい」
ξ////)ξ「バカバカバカバカ」

 予想不可のツンの拳が、物凄い衝撃とともに頬に入った。

(:)'A`)「ぐはっ!」

 そのまま床に倒れる。

ξ////)ξ「バカバカー!…って」
ξ;゚听)ξ「…ってあれっ?きゃーどうしたのよドクオー!!」

このうえなく恥ずかしいが、ツンのパンチ…強すぎだ。

448 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:08:55.82 ID:HFUqNkouO
 …た、立てねえ。…もうだめかも分からんね。

(;A;)「…カーチャントーチャン…今まで育ててくれてありがとう…」
チーン、とどっからか音がした…ような気がした。
ξ;;)ξ「いやー!ドクオ死なないでえー!」
('A`)「短い人生…だが悔いはなし」
ξ;;)ξ「ドクオー!!」


( ゚д゚ )「なにやってんだお前ら」

ξう听)ξ ('A`)

( ゚д゚ )

ξ゚听)ξ ('A`) 「こっち見るな」

449 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:09:33.87 ID:HFUqNkouO
( ^ω^)「たっだいま、だお〜」
('A`)ノ「おお内藤」
待ってたぜ、腹減ってたんだ。
 ツンとの寸劇に別れを告げ、内藤からパンをもらう。そのまま俺たちはいつもの場所、使われてない部室へと移動した。

 内藤は少し興奮気味に話をしている。
( ^ω^)「やきそばパンを巡って死闘があったんだお。ブーンはそれを勝ちぬいたんだお!」
('A`)「人気だもんなあ」
俺はやきそばパンにかぶりついた。

450 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:10:56.65 ID:HFUqNkouO
( ^ω^)「そういえば今日のドクオは授業中まったく寝てなかったおね」
('A`)「そういやそうだな」

寝るのが通常の授業スタイルだったのに、珍しいことだと自分で思う。

( ^ω^)「なんか心境の変化でもあったんじゃないのかお?」
('A`)「変化ねえ」

451 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:11:48.88 ID:HFUqNkouO
( ^ω^)「しっかりしようと思う原因ができたとか」
('A`)「んー…」

特に思い当たることはない……ような、あるような。

俺の頭の中にある人物がもやもやと浮かびあがる。

――その人は、


**選択肢発生**

1.ξ゚听)ξ
2.川 ゚ -゚)
3.( ^ω^)
4.(*゚ー゚)
5.J( 'ー`)し

461 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:27:58.90 ID:HFUqNkouO
頭に浮かんだのは、クー。

クーの笑顔と一緒に真っ直ぐな背中がすぐに浮かんで、顔がゆるむ。
確かに授業中、あいつを見ちゃう回数が多いような気がする。

いや、あいつが動いてるのがなんか可愛いっていうか…その…

('A`)「(今日初めて話したのにな)」

多分俺、クーに惹かれてるんだと思う。
462 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/05(月) 19:30:37.62 ID:HFUqNkouO
( ^ω^)「お?なに一人でニヤニヤしてるんだお?」

(*'A`)「…何でもねえよ」


何となくクーとの仲を知られたくないような気がした。秘密にしたかった…って言ったら変かな。

 二人だけ、が良いなって。


その話はそれきりで、俺たちはもとのエロゲ会話へと戻ったのだった。

466 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:54:45.71 ID:HFUqNkouO
 

――…


「ばいばーい」
「また明日ね」

「部活いこー」


ショートホームルームも終了、クラスはさよならの声でにぎやかになった。


川 ゚ -゚)ノ「じゃあな、ドクオ」

('A`)「おーまた明日なー」

 横を通るクーの足下をちらりと見る。あ、いや故意とかじゃなくてたまたまだけどな。たまたま。

で、見えたものは…太もも。

467 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 19:56:36.13 ID:HFUqNkouO
 …今絶対変態だと思っただろう。
いやいや、だってよお!
 いやらしい気持ちとかは全然ないんだぞ、ないんだけど、見ちゃうじゃないですか、やっぱり!
やっぱ太もも最高じゃないですか、ねえ!!

('A`)「(…誰に同意求めてんだ俺)」


そんなことはさておき、そのクーの太ももで気になることが一つ。


(゚A゚)「(スカートの丈が 短 く な っ て い た )」
469 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/05(月) 20:10:26.02 ID:HFUqNkouO
(;'A`)「気のせいじゃ…、ないよな」

振り返ってロッカーから教科書を取り出しているクーを見つめた。
何度確認しても、短くなっている。

(;;'A`)「………」

クー…、これからどこに行くんだろう。

470 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:11:02.80 ID:HFUqNkouO
( ^ω^)「ドクオー今日もさくらんぼナースするかお?」

鞄を持って内藤がやって来た。

('A`)「あー…今日は良いや、帰るわ」

正直クーが気になって死にそうだった。

( ^ω^)ノ「把握だお、じゃあまた明日」

('A`)ノシ「じゃなー」

クーが気になる。丈上げてまでどこ行きたいんだろう。ま、まさか彼氏…!? それかあれか、えんじょこ…

…いや、こういう風に思うのは良くない。

471 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:11:48.18 ID:HFUqNkouO
('A`)「………」

クーの後ろ姿を見送る。気になるけど、クーの信用を失うようなこともできない。

教室から出かかったクーは、俺の視線を感じたのだろう。にこりと笑って

川 ゚ー゚)ノシ「またな」

と手を振ってくれた。

…クー。

472 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:19:09.72 ID:HFUqNkouO
 

――…

ここは自転車置き場。学校の門の近く、専用のスペースに自転車が怒濤のごとく置かれている。出すのも止めるのも体力を消耗する。一日の仲で一番疲れる場所と言ってもよいだろう。

クーのことが気になりつつも帰らないわけには行かないので、いま俺はここにいる。

('A`)「さて…自転車どこ止めたっけな…」

473 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:22:42.26 ID:HFUqNkouO
 探すのも一苦労なのだ。

…自分の自転車をやっと見つけた。と思ったらさらなる地獄。

俺のに被さるようにサイドの自転車が偏っていた。何てことだ、これは怖くて出せねえ。

('A`)「ふんっ!」

ためしに荷台を軽くひっぱってみた。
…何てことだ。引っ張るたび周りの自転車までがぐらぐらと揺れる。

474 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:25:52.12 ID:HFUqNkouO
('A`)「歩いて帰るのはだるいよな…」

('A`)「…でもなあ…、」

これはガチで無理だろ。

('A`)「…どうしよう」


**選択肢発生**

1.歩く
2.無理にでも引き出す

491 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:47:25.67 ID:HFUqNkouO
…こうなったら、無理にでも引き出してやる!!

(゚A゚)「うあおおおおおおっ!」

ドンガラガッシャーン!!


(゚A゚)「………」


うん ぼろぼろ の ぎたぎたさ

493 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:48:13.90 ID:HFUqNkouO
 ぼうぜんと たちつくしている と おとこのひとにこえを かけられました。

「ふふふ…お困りのようだね」

(゚A゚)「……ダレデスカ」

(´・ω・`)「ふふ…僕はショボン。困った人の味方さ」

(゚A゚)「…クセエ」

(´・ω・`)「…で、君はこの状況をどうするんだい?」

494 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:49:15.46 ID:HFUqNkouO
…どうするかって、さ。

引っこ抜いた箇所からドミノ倒しみたいに自転車が倒れている。規模は、一列分全部。

…一個一個戻すしかないだろうが…。

(´・ω・`)「手伝うよ」

柔和な微笑みとともにショボンは作業にとりかかった。

('A`)「…サーセン」

この作業が終わるのはいつぐらいになるだろうか。

まあ良い、地道に直そう。

499 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:58:28.94 ID:HFUqNkouO
 

('A`) (´・ω・`)「終わったああ!」


あれから十分、思ったより時間がかからなかったのはショボンさんのおかげだろう。
てきぱきと自転車を立たせていくショボンがいなかったら、きっとまだ俺は自転車地獄にいただろう。


('A`)「本当ありがとうございました!ショボンさんがいなかったらヤバかったっす!」

(´・ω・`)「いやいや気にしないでくれ。ところで君は僕に何をしてくれるんだい?」

(;'A`)「はい?」

501 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 20:59:06.40 ID:HFUqNkouO
(´・ω・`)「お礼は何してくれるのってことさ。気持ちだけじゃ社会は通用しないからね」

(;;'A`)「ちょ、いや、ぼくお金とか」

(´・ω・`)+「お金なんかいらないさ、体で……返してくれれば、さ…ふひひ」

こ、これがガチホモってやつか…! 目が尋常じゃない、やばいやばい。マジでやばい。

**選択肢発生**

1.逃げる
2.だが断るとドクオキック
3.近くにいる誰かに助けを求める

510 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 21:04:48.12 ID:HFUqNkouO
こ、こうなったら誰かに助けを求めるしかない。
 周りを見渡すが誰もいない。だが見えないところに人がいるかもしれないし、ここは叫ぶしかない。

(;;'A`)「だ、誰かーっ!」

(´・ω・`)「恐怖におののく姿…そそりますねえ」

 かかか勘弁してくださいよ!!

('A`)「だれかあああああ!いんだろ!助けろおお!!」

阿部「ウホッ?」

うあああああああたあらたあわあふじこ!!

519 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 21:24:15.66 ID:HFUqNkouO
阿部はやばい阿部はやばい。だってショボン以上にオーラある!!
見つかったらすごいことされる!やばいやばい。

見つかっちゃだめだ、ダメ、ゼッタイ!!


(´・ω・`)「おとなしくなったねえ」
ショボンに壁に押しつけられる。

 しょうがないだろうアンタより厄介なのがあらわれたんだからよおおお!

520 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 21:24:43.09 ID:HFUqNkouO
見つかっちゃだめだ、だめだ、だめだ。
 ショボンの顔が近いのはとりあえず流そう。鼻息が荒いのもとりあえず…

('A`)「やっぱきめええええええ!!」

たまらずショボンを突き飛ばした。
そのまま地面に倒れ…、る前に黒い影がショボンを抱きかかえた。

怖々と黒い影を見上げる。

522 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 21:25:36.47 ID:HFUqNkouO
阿部「ふふっ…面白いことやってるじゃないの」

('A`)「ああああ阿部先生」

 やばい、小便漏れそう。

 阿部先生は俺とショボンをそれぞれ一瞥した後、んふんと奇妙な笑い声を発した。

阿部「青春は良いな、だが強引はよくねえぜ?」

そう言って今だ阿部の腕の中にいるショボンの耳に――ああ言うのも恐ろしい――ふうっと息を吹き掛けた。

525 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 21:30:06.03 ID:HFUqNkouO
(´;ω;`)「あああ…」

阿部「安心しなドクオ。俺がちゃんとショボンに指導してやる。もちろん、二人っきりでな」

(´;ω;`)「あ…たすけ…」

阿部はぐいぐいと、ショボンを体育教員室に引っ張っていく。

('A`)「………」

しばらく見ていた俺だったが、扉の奥から獣のような声とショボンが喚きが聞こえて来て逃げるようにその場から立ち去った。

ぼくは なにもみていない。
ぼくは なにもみていない。

552 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:32:59.55 ID:HFUqNkouO
ガチホモの恐怖を思い知り、足下がおぼつかないまま家に帰る。
俺の家はマンションだ。広さは内藤の家とは比べものにならないが、そこそこの設備が整っていて自慢の家だ。

エレベーターで五階まで上昇し、廊下の橋まで歩く。日当たりのいい廊下の突き当たりの部屋、そこが俺たちの家だ。

553 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:33:36.38 ID:HFUqNkouO
('A`)「ただいm」
*(‘‘)*「おっかえりなさあああああいっ!!」

(;'A`)「ぐはあッ!」

 腹の柔らかいところに頭を突っ込まれた。思わず呻く。
 そんなことはお構いなしに、妹――ヘリカルは喋り出した。

*(‘‘)*「聞いて聞いて! ヘリカルね、にーちゃが帰って来るのずうーーっと待ってたんだよお!!」

ヘリカルは嬉しそうに俺の周りを走り出す。

これでは移動ができない。

555 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:34:10.65 ID:HFUqNkouO
('A`)「わ…分かった分かった。聞いてやるからとりあえず部屋行かせて、な?」

*(‘‘)*「ヘリカルもついてくうー!」

苦笑しながらヘリカルの手を引いて自分の部屋に向かった。

五才になる妹のヘリカルは、はずかしながら俺のことが大好きらしく、帰宅するたびに猛烈なタックルでおでむかえしてくれる。

部屋着に着替えながらヘリカルが話すのを聞く。

*(‘‘)*「あのねっ、あのねっ、ヘリカルねっ」
*(‘‘)*「今日ねっ、えーと、……なんだっけえ」

('A`)「いっぺん落ち着け」

571 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:41:53.27 ID:HFUqNkouO
*(‘‘)*「やー! だってせっかくにーちゃ帰って来たんだもおん! きのおはヘリカル寝ちゃっておでむかえ出来なかったしいい!」

昨日はさくらんぼナースフィーバーだったからな…。申し訳ない。

なんてことはもちろん言えずに、
('A`)「と、友達と勉強してたからさ、ごめんな」
とヘリカルの頭をなでた。

573 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:46:32.33 ID:HFUqNkouO
*(*‘‘*)*「ふあう…」

ヘリカルは頭をなでられるのが好きだ。安心する、らしい。

*(‘‘)*「…お勉強するならあ、こんどから家でやってよお! にーちゃいないとさびしいんだよお?」
('A`)「分かった分かった」

 まあある意味勉強だが、エロゲをヘリカルの前でやるなんてそんな恐ろしいことはできない。


J( 'ー`)し「ドクオーヘリカルー!ごはーん!」

('A`)「ほら、飯だって。行くぞ」
*(‘‘)*「うんっ!」

574 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:50:57.82 ID:HFUqNkouO
*(‘‘)*「ままあ!!きょおのごはんはっ?」

J( 'ー`)し「ヘリカルの大好きなハンバーグよ」

*(‘‘)*「わあいっ! あっ、ヘリカルおてて洗ってくるう! えらいでしょおっ?」

ヘリカルはとてとてと洗面所へ走って行った。


J( 'ー`)し「ヘリカル昨日寂しがってたわよ?」

('A`)「ご、ごめん」

J( 'ー`)し「あとでかまってあげなさいね。ほら、ドクオも手洗ってきなさい」

('A`)♭「分かった」

575 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 22:57:22.25 ID:HFUqNkouO
カーチャンの作るハンバーグは絶品だと俺は思う。ガチでそこらの料理屋に負けない。

*(‘‘)*「おいしーっ!」
J( 'ー`)し「そう、良かったわ」
*(‘‘)*「えへへえ」

(*'A`)「(ほんとうめえ…)」

と、急にヘリカルが黙り込んだ。

なんだなんだ珍しい、と覗いてみるとなるほど。プレートの上ににんじんだけがちょこんと残っている。

ヘリカルはにんじんが嫌いだ。
どうしたら良いのかヘリカルの中で葛藤があるのだろう。

――俺は…

**選択肢発生**

1.にんじんを食べさせる
2.にんじんを食べてあげる

595名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 23:12:08.41 ID:HFUqNkouO
J( 'ー`)し「食べなさい」
*(;‘‘ )*「う…」

 ヘリカルの目にじわじわ涙が浮かんできた。今にも零れ落ちそうだ。
…かわいそう、だな。

 あとで母さんに怒られることを覚悟し、ヘリカルの皿からひょい、とにんじんを食べた。

*(‘‘)*「に、にーちゃあ!ありがとおっ!」
 ヘリカルは、がしっと俺の腕に抱き付いた。

J( '-`)し「ドクオ」

('A`)「す、すまん…」

*(‘‘)*「あ、ヘリカルのせえでにーちゃ怒っちゃいやあ…」

J( 'ー`)し「……」

母さんは何も言わなかった。

603 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 23:17:43.44 ID:HFUqNkouO
 
――…

風呂から上がったあと、ヘリカルの髪を乾かしながら俺は言った。

('A`)「ヘリカル」

*(‘‘)*「なあにいっ?にいちゃあっ!」

('A`)「さっきにんじん食べてあげただろう? ヘリカルは喜んでたけど、でもそれ、本当はだめなことなんだ」

*(‘‘)*「うん…」

('A`)「ママが一生懸命作った料理を、好きとか嫌いとか、だめだ」

*(‘‘)*「にーちゃ…」

('A`)「だから今度からにんじんも、ついでにピーマンも美味しそうに食べろ。そしたらヘリカルは今よりもっと大人になれるぞ」

609 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 23:23:04.79 ID:HFUqNkouO
*(‘‘)*「ヘリカル分かった! がんばって、にんじんもピーマンも食べるうっ!あ、あとブロッコリーも!」

('A`)「おう、それでこそ俺の妹だ」

そろそろヘリカルの髪も乾いて来た。ドライヤーのスイッチを切って、髪をくしで整える。…我が妹ながら、可愛い。

*(‘‘)*「あ、にーちゃ!!」

('A`)「ん?なんだ?」

*(‘‘)*「あとでいっしょに、ママにあやまろお?」

('A`)「…、ああ!」

*(‘‘)*「いっしょならこわくないねえっ。許してくれるよねえっ」

('A`)「ああ、きっとな」

615 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 23:27:29.83 ID:HFUqNkouO
  それから二人で母さんに一緒に謝った。

母さんはどうやら許してくれたようで、ほっと安心する。


――…


*(‘‘)ノ「にいちゃおやすみー」
('A`)ノ「おう、おやすみ」


さて、そろそろ俺も寝るか。今日はいろいろ疲れたな…。





――今日も夢を見た。
俺は誰かと話していた。
誰だっけ?知っている人なんだが、思い出せない。
ただ幸せな気持ちだったことだけ覚えていた。

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