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629 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 23:51:18.38 ID:HFUqNkouO

 

――…


睡眠と起床の間をさまよいながら、俺はいま一つの疑問に頭を悩ませていた。

…俺、目覚まし何時にセットしたっけ。

確認すればいい話なのだが、体はそれを拒否している。なんとか脳内解決をしなければ。

えーと、

**選択肢発生**

1.いつもより早い時間
2.いつもと同じ時間
3.いつもより遅い時間
4.目覚ましなんかかけてない

641 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/05(月) 23:57:47.34 ID:HFUqNkouO
…あ、そうだった
目覚ましかけてないんだった…。

もういいや…今更かける気にもならねえ…。

なるように、なれ、だ。



――…



(;'A`)「のわああああああ!?」

 結局起きたのは九時。
うはwww学校とっくにはじまりんぐwwwwww
…じゃない。

完全遅刻じゃねえかあああ!

644 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:03:59.56 ID:7CYB/cciO
速攻で制服に着替え、朝飯を求めダイニングに走る。
母さんはヘリカルと幼稚園に行ってしまったようだ。確か今日は芋掘りに行くとかで、朝早くの集合だった。

だからってさ、だからって母さん…。
テーブルの上には食パン一枚のみが皿の上においてあった。

('A`)「ええい! 文句も言ってられぬわ!!」

食パンを口に突っ込み俺は家を出た。

652 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:08:26.98 ID:7CYB/cciO
…チャリンコってすげえ…。
いや本当しみじみ実感するね、こいだ俺も俺だが。こんなあっというまに着くなんて、自転車という文明機器は大変素晴らしいものだ。

…途中、公園のベンチにつなぎを着たおっさんが腕を組んで座っていたが…。

俺はなにも見てはいないぞ!!

こっち凝視されたけど全力で逃げちゃったからね!

俺はなにもしらないぜ!

657 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:14:19.01 ID:7CYB/cciO
教室入って一番に開口する言葉の準備は出来ている。
さあ、行こう。

「おい、そこの遅刻ニダー」

声をかけられる。この声は…

<ヽ`∀´>「いっけないニダー!!先生に言ってやるニダー!」

風紀委員のニダーだ。こいつ、しつこいって有名なんだよな…。
つかこの時間に校門にいるお前も遅刻だろうが…。

660 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:20:30.46 ID:7CYB/cciO
とは言わない。こいつと話ししても、無駄だ…きっと。

<ヽ`∀´>「あ、ちょうど先生がきたニダ!!」

ニダーは俺の後ろにいる誰かに手を振る。

('A`)「え?」

…嫌な予感がする。先生って…もういるはずだよな…。

阿部「おはよう。さっきはなんで無視したんだ?」

('A`)「あああああ阿部先生!!」

後方至近距離につなぎ姿の阿部先生。
じゃあやはり、さっき公園にいた人は…あなただったんですね…!!

667 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:26:32.67 ID:7CYB/cciO
('A`)「ななな何で公園なんかにいたんですか!」

阿部「ドクオが学校に居なかったから、心配してたんだ。遅刻は心の病なんだぜ? 心のケアに特別指導でもやろうかと思ったんだよHAHAHA」

先生の熱視線。
俺はかろうじて麻痺しなかった。

…早く逃げよう。
((;'A`))「そうですかハハハ…じゃあ僕は行きますねハハハ…」

阿部「ああ。“また”、な?」

(;'A`)「ひぃっ!」

ともかく俺は阿部先生の猛威からは逃げられたわけだ。

背中にニダーの叫び声を感じたが、もう慣れたさ。ご愁傷様と言っておこう。

676 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:31:23.49 ID:7CYB/cciO

教室に急ぐ。阿部先生のせいでせっかくの俺の頑張りが水の泡だ。

驚いた。
教室前の廊下に、クーがいたからだ。

川 ゚ -゚)「ずいぶん慌ててるんだな、ドクオ」

679 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:34:27.74 ID:7CYB/cciO
うん、しばらく時間ください
すみません

684 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:42:32.75 ID:7CYB/cciO
('A`)「いや、目覚ましかけわすれて…じゃなくて、お前授業!」

川 ゚ー゚)「ふっ、お前らしい理由だ。…今日の一時間目は理科、みんなは実験室に移動している」

('A`)「だっ、だからお前は何を!」

川 ゚ -゚)「実験室に移動することを遅くきたお前は当然しらないだろ? 誰が教えるんだ」

さあ行くぞ、とクーは笑った。

686 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:44:44.86 ID:7CYB/cciO
('A`)「…クー…」

誰が教えるんだ、って。
黒板に書いとくとか、あっただろうが。

川 ゚ -゚)「私のことなら気にするな。風紀委員長の特権だ。先生は許してくれた」

そうじゃなくて、よ。

なんで、なんでお前はそんなに優しいんだ。

691 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 00:49:24.18 ID:7CYB/cciO
川 ゚ -゚)「何ぼーっとしてる。行くぞ!」

(*'A`)「ああ」

クーは当然だ、と思って居るのかもしれない。
でもな、クー。
そこまでしてくれるやつ、お前以外なかなかいないぞ?



(*'∀`)「…俺、クーのそういうとこすげえ好き」

クーは驚き、次に顔を赤くして

川////)「馬鹿言え…」

とぼそぼそ呟いた。

703 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 01:02:00.17 ID:7CYB/cciO
そろそろこのスレも落ちますね
今日中に完結出来たら良いのですが…
みなさん最後までよろしくお願いします





理科の実験もなんとか終わり、次の授業は体育だ。

つ ぎ の じ ゅ ぎ ょ う は た い い く だ



(゚A゚)「………」



申し訳ないが悪寒がする。今日は保健室にお世話になろう。
709 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/06(火) 01:08:38.29 ID:7CYB/cciO
ξ゚听)ξ「なにアンタ、体育休むのー!?」

今体育は男女混合バスケをやっている。
で、一緒のチームのツンに一応見学することを伝えたのだが。
ツン様はお怒りのようだ。

ξ゚听)ξ「アンタがいないでどうすんのよあたし達のチーム!」

俺が中学バスケ部だったことからツンは結構俺を頼ってくれいる。
ツンと話す前からそのことは薄々感じていたのだが、面と向かって言われると気恥ずかしい。

('A`)+「俺がいなくても何とかなる…よな」

ξ;゚听)ξ「かっこつけながらふ抜けたこと言わないでよ」


713 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 01:16:33.04 ID:7CYB/cciO
川 ゚ -゚)「なんだドクオ、さぼるつもりなのか」
クーがやってきた。そういえばクーも同じチームだったな。
(;^ω^)「え、さぼるのかお!?」
そうだった、内藤も同じチームだった。
ξ゚听)ξ 「あたしたち許さないわよー!」

さ、3対1はさすがにやばい。これは腹を括るしかなさそうだ…。

('A`)「分かりましたよ…出ます」

そしてウェルカムABE!

714 名前: メダロット小説おもすれーw ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 01:26:12.13 ID:7CYB/cciO
…と思ったのだが、体育館に阿部の姿はなかった。代わりにいたのは、

('、`*川「さあみんな集合してえー!さっさと試合するぞー!!」

女の先生。確か、ペニサス伊藤とか言ったか。

('、`*川「阿部先生は特別指導があるので、今日はあたしが代わりにきました。よろしくな!」

889 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:22:42.22 ID:7CYB/cciO
(;^ω^)「と、特別指導ってなんだお?」
内藤が恐る恐る聞く。うおーい、それ聞くのか。
('、`*川「…」
ペニサスは内藤を品定めするように見つめ、
('、`*川「君には…まだ早い」
困ったように首を振った。
( ^ω^)「?」
内藤はまだ気になるのか、俺に耳打ちをしてくる。
( ^ω^)「ドクオはなんのことかと思うお?」
('A`)「…、え?」

なんのことかって、ナニのことなんだが…。答えるの面倒な…。

俺は内藤の肩を叩き、こう言った。
('A`)+「いっぺん指導されてみりや分かるさ」
( ^ω^)「そうだおね!今度阿部先生の授業のとき菓子食いまくってみるお!!」
('A`)「……、イインジャネ?」

良いか悪いかは、内藤によるけども。

891 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:24:34.43 ID:7CYB/cciO
('、`*川「じゃあ試合前に各チームごとにドリブル、パス練習するんだ」
ペニサスは声を張り上げた。
ξ゚听)ξ「なんか感じよさげな先生よね」
('A`)「ああ。格好良い感じの人だな」
男に興味のある人物より、多少男勝りだろうが常識をもつペニサスの方が六億倍もいいに決まっている。比べるまでもない。
 おまけに美人ときたもんだ。マンセー! としか言い様がない。

『それなんてエロゲ〜』
 ツンの携帯が点灯してる。
ξ゚听)ξ「あ、メールだわ」
('A`)「ほほう。こんな授業中にどうどうと。もしや彼氏だな?」
ξ////)ξ「ちっ、違うわよ! あたしはいま彼氏いないしっ! あっ、別に募集中とかじゃないからね!!」
('A`)「はいはいツンデr…というか電波みたいだな」

893 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:31:01.06 ID:7CYB/cciO
ξ゚听)ξ「あ、クーからだ」
('A`)「何だって?」
さっきクーとは俺たちに先に行っといてくれ、って体育館前で別れたんだよな。
ξ;゚听)ξ「気分が優れない。すまないが体育は休ませて頂く、だって…」
('A`)「そうか…」

クーが具合悪かったなんて全然気付かなかった。…なんだか自分が嫌になる。

('A`)「情けねえ」
 気配りできないようではまだまだ大人にはなれないな、と思う。
ξ゚听)ξ「そこまでアンタがうなだれることないわ。あたしももっとクーを見とくんだった」

901 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:39:59.39 ID:7CYB/cciO
 黙り込んだ俺とツン。ボールのドリブル音がいやに響いている。
と、目の前に黒い影。

('、`*川「あんたたち、あたしの授業さぼろうなんていい根性してんじゃないか」

不敵に笑うペニサスからは阿部先生以上の強いオーラを感じる。いや、阿部先生とは違うまともなオーラだけども。

('A`)「あっ、いや、さぼるつもりなんて毛頭なくて」
('、`*川「座り込んでべちゃくちゃ喋るのがあんたたちにとって真面目なのかあ?」

ボキボキ、と手の骨をならすペニサスはどうみてもジャイアンです。本当にありがとうございました。

905 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:48:48.54 ID:7CYB/cciO
(;'A`)「あ、だからあの!」
ξ゚听)ξ「あたしたちこういう訳なんでして!」

ツンが事情を説明する。ツンの話を聞いて、ジャイアンだったペニサスはじょじょにお母さんに、最後にはしずかちゃんレベルに落ち着いた。

('、`*川「つまりあんたたちは具合の悪い友達を気遣ってやれなかったことを悔やんでるわけなんだね?」

('A`)「はい…」

ペニサスはにっこりと笑った。
('、`*川「謝れば良いじゃないか」

909 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:54:17.65 ID:7CYB/cciO
('、`*川「簡単な話じゃないか。あとで謝ればいい話。こんなとこでぼけーっとしてたって何もならない」

転がってるバスケットボールをペニサスは拾い、そのままドリブルを始めた。

('A`)「すご」

ペニサスのドリブルは今まで見てきた中で一番きれいなものだった。

('A`)「(この先生、出来るんだな)」

ペニサスは足を潜らせたりとボールを自由自在に動かす。これは並大抵の人じゃ出来ない動きだNE!

('、`*川「だからさっ!!」

ペニサスがダン、と大きく踏み込んだ。

910 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/06(火) 23:59:06.12 ID:7CYB/cciO
 大きく跳躍して、ゴールに向かってボールを放った。きれいな放物線。
…これは
('、`*川「よっし!」
入らないはずが、なかった。

('、`*川「だから今はしっかりと授業をやるんだ。その子だって自分のせいであんたたちが怒られたって知ったら悲しむ。さ、バスケやろう」

ボールが手渡される。

('A`)「…っりゃ!」

ゴールに向かい放ったはずのボールは残念ながら右に逸れてしまった。

911 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/07(水) 00:03:18.75 ID:4RDxEAj2O
 



――…


ξ*゚听)ξ「ドクオお疲れ!!」
('A`)「おう、ツンもな!」

なんと俺たちのチームは授業内での試合において全勝。
もちろん俺も必死こいて戦った。
ボールがさっき入らなかったのが、普段固く閉ざされている俺のやる気を解き放ったようだ。

913 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/07(水) 00:06:56.38 ID:4RDxEAj2O
ξ゚听)ξ「あんたってやっぱすごいのねー」
(;'A`)「そんな褒めんな」

普段あまり褒められ慣れてないから、なんか調子が狂う。

ξ゚听)ξ「あ、あたし今から保健室行こうと思うんだけど、アンタも一緒に行く?」

('A`)「俺は…」


**選択肢発生**

1.一緒に行く
2.あとで行く

12 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 08:10:01.60 ID:4RDxEAj2O
('A`)「俺も行くぜ」
ξ*゚听)ξ「じゃあ行きましょ。あ、なんか持ってった方がいいかしら、お菓子とか」
(;'A`)「具合悪いのに食えないだろ」
ξ;////)ξ「そっ、それもそうね」

妙に慌ててるツンは可愛い。
なんてことを思いながら保健室へと俺たちは向かった。

14 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 08:55:39.33 ID:4RDxEAj2O
 

その途中、俺は弱り果てたニダーを見た。

<ヽ´ー`>「……」

ニダーは道端にしゃがみこんで空を見上げている。口許にはうっすらとした微笑み。

(;'A`)「ニダー…」

これが、あのニダーなのか…。
阿部先生は一体何をしたというんだ。


91 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:28:49.75 ID:4RDxEAj2O
いやいや、早とちりはよくないな。会いたい先生が阿部先生だとは限らない。限りたくない。

…が、次のニダーの言葉は俺を心の底から震撼させた。

<ヽ´o`>「阿部先生…」

ニダーはひどく愛しそうに呟いた。

( ゚A゚ )

ξ゚听)ξ「こっちみんなwwwwww」

<ヽ´ー`>「ふ…先生、会いたい…」


…う、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!
いや、もう見てらんない!聞いてらんない!何でだ!?何で最近俺の周りの男はこんなんばっかなんだ!!1

92 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:29:43.06 ID:4RDxEAj2O
(´・ω・`)は多分あれガチだから更生のしようがないし、阿部先生にあたっては問題外だ。
ニダーだけでも、と俺は説得を始めた。

('A`)「ニダー!!1お前が阿部先生に何をされたか知らん!いや知りたくもない!!だがお前がされたこと、決して良いことじゃないと思うぞ!!」

ξ゚听)ξ「ドクオ…」

<ヽ´ー`>「確かに、ひどいことされたニダね」

('A`)「そうだろ!?なのに何でそんな恋に落ちたみたいな…」

ニダーは今まで見せたことのない、柔和な微笑みを浮かべてこう断言した。

<ヽ´ー`>「でも、幸せだったニダ」

もう\('A`)/オワタ

93 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:30:26.95 ID:4RDxEAj2O
('A`)「そうか…達者でな」

 もうこれ以上何も言うまい。俺はその場から立ち去ることにした。

<ヽ´ー`>「ちょっと待つニダ」

('A`)「あ?」

<ヽ´д`>「阿部先生は…高和はお前のこと気になってるみたいだったニダ!!いったいどういう関係ニダ!?場合によっては訴訟して謝罪を要求するニダよ!!」

(('A`))「えええ!?」

それは完全なとばっちりってやつだNE!


96 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:36:18.05 ID:4RDxEAj2O
今まで黙っていたツンも今の言葉にはひっかかったようだ。クエスチョンマークを額に浮かべながら俺に聞いて来る。

ξ゚听)ξ「 この人さっきから変なことばかり言うわね。阿部先生に会いたいとか。それにあんたとの関係がどうとか」

…それを説明するには物凄い長くかかると思うんだが、どうだろう。
面倒なので、
('A`)「お、俺にだってわかんねえよ!」
と言って逃げてみる。

97 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:39:19.36 ID:4RDxEAj2O
<ヽ`Д'>「無視するってことは何かしらやましいことがあるってことニダね!? ちゃんと答えるニダ!!」

('A`)「ええい!! 面倒なやつだ! くらえドクオパンチ!!」
<ヽ`Д'>「何の!愛のksmsキィィック!!」

弱っているからか、キックはかすりもしなかった。

というか、

ξ゚听)ξ ('A`)「(そのネーミングセンスはないだろ…常識的に考えて…)」

98 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:42:04.54 ID:4RDxEAj2O
<ヽ`Д'>「回答!回答!さっさと回答!!」

ニダーは自分の膝をリズムよく打ち鳴らす。

('A`)「…保健室行くか」

そろそろもう良いか。俺とツンは目配せして、一斉に走り出した。

<ヽ`Д'>「まっ!待つNIDAAAAAA!」

よく晴れた空にニダーの叫び声がよく響いた。

100 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:46:16.81 ID:4RDxEAj2O
 

――保健室前。

コンコン、とツンが軽く叩いく。
('A`) ξ゚听)ξ「失礼します」

保険医「……やあ、君達か。どうしたんだい?」

始めて見る人だった。
細い銀色の眼鏡をかけている彼はなんとなく俺たちを歓迎していないような気がする。

('A`)「あの、クーの様子見にきたんですけど、入っても良いですか?」

101 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:48:39.43 ID:4RDxEAj2O
保険医の体がわずかにピクリ、と動いた。

保険医「……いや、彼女はここにはいないよ。だいぶ楽になったから、と帰った」

('A`)「そうですか、ありがとうございます」

ξ゚听)ξ「ありがとうございます」

ペコリと頭を下げて保健室を出て行く。

104 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:54:22.64 ID:4RDxEAj2O
…なんか、クセェ。
俺はバーローじゃないから推理とかするつもりはないが、何だか奴は信用しちゃいけないような感じがする。

あの男とクーが同じ空間にいたのが心配だ。大丈夫だったのだろうか。

ξ゚听)ξ「クー、具合良くなったのね。良かった」

('A`)「全然良くねえ」

ξ゚听)ξ「え?」

保健室にいてくれた方が良かった。
早く、あいたかった。

106 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 19:58:43.74 ID:4RDxEAj2O
 教室に向かって二人で歩く。
角を曲がった時、ツンが素頓狂な声を上げた。

ξ゚听)ξ「あっ」

ドクン、と心臓が鳴った。

ξ゚听)ξ「クー!!」

('A`)「クー…」

川;゚ -゚)「今日はすまなかったな。お前たち」

おかしい。明らかに体育前より具合悪くなってんだろ。

じんわりと汗がにじみ、視点が定まっていない。

これは、やばいんじゃないのか?

114 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:24:01.31 ID:4RDxEAj2O
('A`)「お前…大丈夫か?」

保健室に行って、前より悪化してて。

川 ゚ ー゚)「だいじょうぶ…じゃないから、これから家に帰るのだが」

ξ゚听)ξ「そう、…熱は?」

川 ゚ ー゚)「熱はない…そういう問題じゃないんだ」

('A`)「どういう意味だよ」

クーは悲しそうに笑った。

117 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:26:48.09 ID:4RDxEAj2O
川 ゚ ー゚)「またな、ドクオ。明日は遅れちゃだめだ…、ぞ」

ξ゚听)ξ「クー!!」

クーの体が揺れた。
 いや、浮いた。

このままじゃ、倒れる――

俺の足は反射的にクーのもとへ踏み込んでいた。

(゚A゚)「クー!!」




――…

 


118 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:31:27.04 ID:4RDxEAj2O
 

結局。
助けようとしたのは良いが、先にツンがクーを抱きかかえていた。
そこに、馬鹿みたいに突進する俺。止まらない、俺。


(;'A`)「…っ、」

思いっきりぶつかったのになぜか痛くない。
下にやわらかいものがあったからか、良かった良かった。

…やわらかいもの?

ξ////)ξ「い…きゃあああああっ!?」
川 ////)「おいドクオ!上をどけ!!!」

なんと俺は二人に馬乗りになっていた。
体を支えるため出した左手はツンの胸、右手はクーの胸を掴みながら…。

俺オワタaaa!!

120 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:38:11.14 ID:4RDxEAj2O
ξ////)ξ「そ、即刻そこをどきたまえドクオ君!!そしたら許してあげ※◎#%」

驚き過ぎて日本語がおかしくなっているツン。

川 ////)「はや…はやくどけ!」

俺はどこうと慌てて手どける。
だが手が滑ってしまった。胸の上を手がさあっと滑る。

ξ*><)ξ「あんっ////」
川;*゚-゚)「やっ…」

どうやら…過敏なところを擦ってしまったみたいだ。

125 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:42:46.39 ID:4RDxEAj2O
ξ////)ξ「ああもうっ!!ドクオの馬鹿あああああッ!!!」

ツンが絶叫し、俺をこれでもかと突き飛ばしてた。

('A`)「ぐへっ…」

ξ/////)ξ「刺激が強過ぎるのよアホ!!!」

ツンは叫びながら教室に駆け込んだ。

('A`)「………」

川*゚ -゚)「………」

廊下には俺とクー、そしてちらちらと好奇の目で見て来る何人かのやじ馬のみ。

…気まずい。

126 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:46:24.47 ID:4RDxEAj2O
あー…、そのなんだ。

('A`)「すまんかった!!!」

廊下に頭を擦りつけて土下座した。
すまん、本当にすまん。謝っても謝り切れないが、本当にすみませんとしか言い様がない。

静寂があたりを包む。

みな、クーの返事を待ってるのだ。

127 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 20:52:18.36 ID:4RDxEAj2O
…プッ。
誰かが吹き出した。そしてそれは止まらなかったようだ。

川 ゚∀゚)「あっははは!!ドクオ、お前面白いな!!」

そしてそして笑った本人。それはクーだった。

('A`)「これ…笑うとこか?」

違うだろ、という空気が流れる。俺も同意だ。

だがそんなことおかまいなしなようだ。クーの爆笑はさらに続く。

川 ゚∀゚)「だって、お前、土下座するか普通?潔ぎ過ぎだ!」

('A`)「…お前〜」

人の誠意をこう返すか、コンチキショー

俺は…

**選択肢発生**

1.頭を軽くはたく
2.くすぐる

151 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:20:51.65 ID:4RDxEAj2O
クーを黙らせようと俺はくすぐりを開始する。

人体の中で、くすぐりがもっとも有効なのはどこであるか?
首、脇の下、腹。このどこかであるのは間違いないだろう。性的な意味を抜くとしたら。

('A`)「ほらあああ!」

笑い過ぎて肩を揺らして悶えてるクーの脇を、こちょこちょとくすぐる。

川;゚ー゚)「あっはは…は…、っておい!!やめろ…あははははッ!!!」

('A`)「まだだ!僕はッ!君が笑い止むまでくすぐりるのをやめないッ!!!」

川;;゚ー゚)「あははッ、馬鹿お前が止めさせないんだろうがッ!!」

152 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:24:10.04 ID:4RDxEAj2O
('A`)「バーロー!俺を笑った罰だぜ!!!」

川 ゚ -゚)「じゃあ泣けばよかったか?」

('A`)「おま…」

クーの表情が硬くなる。俺はくすぐりをやめた。

どういう意味か答えを促そうとクーの顔を見ると、いつもの顔に戻っていた。

川 ゚ ー゚)「ドクオ、私はもう帰る。家まで送れ」

('A`)「え、」

**選択肢発生**

1.送る
2.送らない


159 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:31:26.55 ID:4RDxEAj2O
('A`)「もちろん、送るぜ」

川 ゚ ー゚)「ありがとう。ちゃんと家まで送れよ?」

('A`)「わーってるって」

川 ゚ ー゚)「授業はさぼることになるんだぞ?」

('A`)「構わねえよ」

川 ゚ -゚)「ほんとに、良いのか?」

('A`)「良いって言ってるだろくどいぞ。工藤って呼ぶぞ」

川 ;ー;)「…ありがとう」

クーは俺をおいて歩き出した。
だが俺は動けない。

今、泣いていた。

162 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:36:24.91 ID:4RDxEAj2O
川 ゚ -゚)「行くぞ。病人を待たせるな」

('A`)「お、おう…」


なんだったんだ、今の。


脳裏に保険医の顔がなぜか浮かんで来た。



――…

川 ゚ -゚)「悪いな、鞄まで」
('A`)「良いってことよ」

病人に荷物を持たせられるかバーローってことだ。

クーは毎日歩いて来てるらしく、結構近いらしい。
自転車に乗るか?と聞いたのだが、風紀委員長としてそれはできない、と断固拒否された。

だからこうして今、二人で歩いているわけなのだが。

164 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:48:24.29 ID:4RDxEAj2O
…さっきの涙はいったい何だったのだろうか。今俺の隣りでころころ笑うクーからは憂いのひとつも感じられない、

川 ゚ -゚)「あ、」

しばらき歩いたところで、クーが急に立ち止まる。

川 ゚ -゚)「教科書を忘れて来てしまった。これでは予習復習が出来んではないか」

('A`)「具合悪い時くらい勉強は忘れろ」

 俺なんて万年置き勉だしな。夏休みに教科書持って帰らなかったら先生から捨てるぞって電話かかってきたんだぜ。

川;゚ -゚)「ギコ先生も大変だ…」

 クーはやれやれ溜め息をこぼした。

165 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:55:19.02 ID:4RDxEAj2O
川 ゚ -゚)「…っと、ここが私の家だ」

 そうこうしてるうちにあっという間に着いたクーの家。

('A`)「へえー純和風な家だな、って神社じゃねえか!!」

そう、目の前に佇む建物は縁結びお守りが人気を博している、お馴染みの神社だった。

川 ゚ -゚)「知らなかったか?さあ、こっちだ」

真っ直ぐ本堂には行かずに、小道のようなところにはいる。

ここの神社の敷地内には保護なんとかされた大木が何本もあり、場所によっては昼間なのに本当に暗い。

166 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 21:59:39.65 ID:4RDxEAj2O
今クーと歩いている小道はその場所で、上を見上げると樹齢何年なのか計り知れないほど立派な樹が葉を揺らしていた。

('A`)「でっけーなー」

川;゚ -゚)「まあな…、ふ…」

 クーが苦しそうに息を吐いた。

('A`)「おい、大丈夫か?」

川;゚ -゚)「あ、頭がぐるぐるする…」

('A`)「お、おぶるか?」

川;゚ -゚)「いや、腕を貸してくれ」

クーが俺の腕に自分の腕を絡ました。

川;;゚ ー゚)「これで、なんとか」

('A`)「…(胸がアタッテルヨー)」

169 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 22:04:20.25 ID:4RDxEAj2O
しばらく歩くと、林の中に普通の二階建ての家が姿を現した。

川;゚ -゚)「家、そこだ」
('A`)「おう、見りゃ分かる」

クーがカチャカチャと鍵を開け、中に入る。

 どうしたもんかなー、と外で待機。
だが心配は杞憂だったようで、クーから「何をしている、と入れ」との命令が。

はいはい、喜んで失礼させてもらいますよ。

('A`)「お邪魔します」

171 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 22:12:48.57 ID:4RDxEAj2O
 クーは床にぺたりと寝っ転がった。

('A`)「…何してんだ」

川*゚ -゚)「床が冷たくて気持ちいい」

 そうか。クー、ついに気が狂ったか。…じゃなくて、

('A`)「…お前熱あるだろ!」

額に手を当てると、普通より高め熱。



172 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 22:17:28.44 ID:4RDxEAj2O
('A`)「寝ろ」

あえての命令口調で言う。
病は睡眠から、だ。

('A`)「冷えピタかなんか貼って暖かくして寝ろ。俺は帰る」
 俺がいても寝づらいだろうしな。

川 ゚ -゚)「ドクオ」

('A`)「なんだ」

川 ゚ -゚)「何か食べたい」

…はい?

('A`)「それは、俺に作れと?」

174 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 22:28:18.80 ID:4RDxEAj2O
川 ゚ -゚)「病人をおいて帰るのか。お前がいなくなったら家には私しかいないのだぞ」

('A`)「…分かったよ。作るよ」

川 ゚ -゚)「wktk。私は二階で布団でも敷いてる」

何だか今日のクーは積極的だ。熱のせいなのだろうか…。

さて、何作るかね。


**選択肢発生**

1.おかゆ
2.トンカツ

212 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 23:04:17.78 ID:4RDxEAj2O
('A`)「やっぱお粥だな…ここは」
…病人にはお粥ってセオリーはいつ出来たんだろうか。

('A`)「ご飯もあるし、卵もある。焼き鮭もある」
勝手ながら冷蔵庫をチェックして材料の有無を確認する。
('A`)「これだけあれば十分だよな…、」
ん? それ以前に人の家でクッキングなんてしていいのだろうか。
まあクーが良いと言ったのだから良いか。
('A`)「よーし、俺張り切っちゃうぞー」

鍋に水を入れ、火をかける。

お粥作ったことないが、ようするにご飯をべちょべちょにしたら良いってことだよな。

221 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 23:09:52.58 ID:4RDxEAj2O
('A`)「うりゃー」
ぐだぐだな叫び声を上げながら手を動かす。

和風だしを混ぜた水の中にご飯を入れて、ぐつぐつ煮込む。いい感じになったら軽く醤油を入れ、鮭をほぐして入れた。最後にとき卵を入れれば完成だ。

('A`)「いい感じじゃね?」

自画自賛してみた。

少々見た目は悪いが、お粥であることに間違いはないはず…だ。

223 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 23:15:14.78 ID:4RDxEAj2O
('A`)「ほらクー、お粥出来たぞー!」
川 ゚ -゚)「む、今行く」
あ、持って行ってあげたほうが良かったかな。
台所に来たクー。顔がさっきよりも赤くなっていたので、さっき冷蔵庫で発見した冷えピタを渡した。

川 ゚ ー゚)「ありがとう。お粥作ってくれたのか。これはまたずいぶんポピュラーだな」

('A`)「捻りなくてすまんね」

川 ゚ ー゚)「いやいや、嬉しいぞ」

224 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 23:18:47.98 ID:4RDxEAj2O
 お粥を茶碗によそって渡した。
川 ゚ -゚)「…いつも思うのだが」
('A`)「え?」
川 ゚ -゚)「お粥と雑炊ってどう違うんだろうな」
('A`)「………」

 何が違うんだろうね。俺はこれがお粥だと思っていたが、もしかしたら雑炊かもしれなかったりするのか?
 日本語ムズカシイネ!

川 ゚ ー゚)「おいしいぞ」
('A`)「それはどうも」
川 ゚ ー゚)「ごちそうさま。残りは夜頂くよ」


229 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 23:25:30.45 ID:4RDxEAj2O
('A`)「おー」
食器を流しにおいて、クーに寝ろと促した。
クーは素直に同意し自分の部屋に。もしものために俺も二階まで。

川 ゚ -゚)「今日はありがとうな」
('A`)「おう、お大事にな」
川 ゚ ー゚)「ドクオ」


――ちゅ。


川 ゚ ー゚)ノ「今日のお礼だ。じゃあ気をつけて帰れよ」

('A`)「…お、おう」

頬に、熱く柔らかいものがあたった感覚。
…多分一生忘れられない。

233 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/07(水) 23:32:37.35 ID:4RDxEAj2O


 学校に戻る。お昼の時間はもう始まっていた。
携帯には内藤からのメール着信。

( ^ω^)『いまどこにいるんだお?』

俺は今からそっち行く、とメールした。罪滅ぼしに購買でメロンパンを買い、内藤のもとに向かう。

 いつものところに行く。良かった内藤いた。

('A`)「内藤!」
( ^ω^)「ドクオ!心配したお!」
('A`)「おーすまねえ、これ罪滅ぼし」

メロンパンを投げ渡した。

(*^ω^)「わざわざありがとだおw」

316 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 17:57:12.22 ID:oA/GArUyO
( ^ω^)「フヒ、メロンパンおいしいお」
良かった。内藤はご機嫌みたいだ。
( ^ω^)「で、ドクオはなんでサボったんだお?」
 口の回りにパンがついてる。まあ良い、あえての無視だ。
('A`)「ちょっとお見送りだ、うん」
( ^ω^)「おっ、内緒かお?」

**選択肢発生**

1.やっぱり話す
2.禁則事項です

>>321

326 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 18:06:01.98 ID:oA/GArUyO
 口許に人差し指をたてて答える。目指すは朝比奈さんだ。
('A`)「禁則事項です」
瞬間、ぶはっと内藤がメロンパンを吹いた。
(#^ω^)「きめええええwww」
 内藤は笑い転げる。カチンとくる俺。
(*'A`)「…う、うっせえ馬鹿!! 馬鹿!!」
 後悔先にたたず。身を持って言葉の意味を知った。
( ^ω^)「いや、だって、フヒヒww」
(#'A`)「この!!馬鹿ピザ!マルゲリータ!!」


 ………

(*^ω^)「(ちょっと可愛いって思ったのは内緒にしとくお)」

338 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 18:42:41.22 ID:oA/GArUyO
(#'A`)「イーインダヨ!長門が俺の嫁だから! 朝比奈さんも大好きだけれども!!」

(#^ω^)「ちょ、意味分かんないお! ブーンもあえて言うなら、ハルヒは俺の嫁だお!!!」

(#'A`)「なぜ長門の魅力が分からんのかあああ!?」

とまあこういうような内容の会話をハイテンションで続けたあと、結局のところみんな俺の嫁ということで話がまとまった。

あー…ハルヒエロゲ化しないかな。マジで。
長門大好き。特に消失の長門は神だ。みんな読んでみて欲しい。

356 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:13:59.75 ID:oA/GArUyO



――キーンコーン…やらないカーンコーン

( ^ω^)「起きろだお、内藤」
(-A-)「ま…待て、あと十分…、朝飯いらないから…」
( ^ω^)「なにねぼけてるんだお? ここは高校だお」

…そうだった。ここは家ではない。

(うA`)ゴシゴシ

('A`)「……。」

動く気にはなれなかった。体が睡眠を欲している。

( ^ω^)「ドクオ久しぶりに寝てたおね」

('A`)「ああ…何か一気に睡魔がさ」

357 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:14:41.58 ID:oA/GArUyO
( ^ω^)「疲れてるのかお?」

('A`)「うーん…最近一日がはえー気がするんだよなー…。そのせいかも」

はあ…と溜め息。最近人と会話するのが増えたように感じる。別に良いのだが、何となく自分がまだ順応していないのを感じる。
 なんて浸っていても仕方がない。

俺は…


**選択肢発生**

1.帰る
2.バスケ部をのぞく
3.屋上へ


>>361

368 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:36:59.92 ID:oA/GArUyO
 俺は帰ることにした。
 用事があると言う内藤に別れを告げ、校舎を出る。

 校門近くまで歩いたところで、
「ドクオくーん!」
と俺を呼ぶ、声がした。
 どこからだろう、と辺りをきょろきょろ見回す。
(*゚ー゚)ノシ「おーいっ!ドクオくーん!」
('A`)「昨日の」

しぃは嬉しそうに駆け寄って来た。さすが陸上部、早い早い。

(*゚ー゚)「何度も呼んだのにっ! 気付いてくれなかったらどうしようかと思ったし!」

369 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:39:02.48 ID:oA/GArUyO
(;'A`)「わ、悪い悪い」

ぼーっとしてるのが通常装備なんでね、って言い訳になんねえか。

(*゚ー゚)「良いの良いの! いま話せてるからね!」

あはははっと豪快かつ爽やかにしぃは笑った。見た目とのギャップがかなり激しいが、逆に好感が持てるのがしぃの良い所だ。

370 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:40:09.35 ID:oA/GArUyO
('A`)「あ、」
しぃが握っているバトンに目がとまった。これってリレーに使うやつだよな。
('A`)「練習中だったのか?」
(*゚ー゚)「まあねっ、でも今はアップ中ー」
('A`)「アップ、」
なぜかマリオが頭に浮かんだ。1UPの効果音とともに。
「基本運動だよっ、筋トレとかやるの!」
('A`)「ほっほう」

 運動とかからは離れた生活を送ってる俺。こういう話をするのも新鮮だね。フヒヒ。

371 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:41:39.86 ID:oA/GArUyO
(*゚ー゚)「アップすることによってねー、ほらっ!!」
しぃが二の腕を見せてきた。細い腕だ。が、
(*゚ー゚)「こんな感じでムキムキになれるんだよっ!」
突如と山が姿を現した。なんてこったい、俺よりあるよこれ。
('A`)「(でも…細いよなあ…)」
(*゚ー゚)「これからもっっと頑張って、いっぱい筋肉付けるんだ!」
('A`)「へー」


**選択肢発生**

1.俺は今のままで良いと思うけどな
2.頑張れ

>>376

378 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:51:30.95 ID:oA/GArUyO
('A`)「俺は今のままで言うと思うけどな」

これだけ筋肉あれば充分だろ。むしろ分けて欲しい。

(*゚ー゚)「…ドクオ君には分からないよ」

しぃの返事は暗かった。

(*゚ー゚)「…私は、上に行きたいんだ」

('A`)「…そう、か」

(*゚ー゚)ノ「じゃあまた明日ねっ! あたし練習に戻るっ!」

('A`)ノ「また…明日、」

俺、なんか悪いこと言ったかな。

380 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:54:23.08 ID:oA/GArUyO
褒めた、つもりだったんだけどな。
さっきの表情、今まで見たことなかった。あんな暗い顔するんだ、って初めて知った。

阿部「しぃはさ…負けず嫌いなんだよ」

ああそうなんですか。って、

(;'A`)「ええ!? ななな何すかいきなり」

いつの間にか俺の横には阿部先生。

この人気配消したりもできるのか。化け物かよ。

386 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 20:58:44.21 ID:oA/GArUyO
阿部「お前、さっきそのままで良いって言っただろ?」

('A`)「ああ、はい…」

阿部先生、いつになく真剣な顔だな。そういやこの人陸部の顧問だったっけ。

生徒を思いやったり、するんだ。

阿部「上昇思考の強い子だからな。お前に言われた言葉を、しぃはもう頑張らなくていいって捉えてしまったんだろう」

390 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:05:12.99 ID:oA/GArUyO
 そんな、俺はそんなつもりなんかなかった。

阿部「それは分かっている。でも、言葉は慎重に使わなきゃいけないんだ」

('A`)「阿部先生…」

阿部「つまりは、しぃにはただ頑張れと言えば良かったんだよ」

('A`)「なんか…俺、悪いことした…」

阿部「なに、しぃは明るい奴だ。すぐ忘れて、またいつものように接してくれる」

そう言って、阿部先生は俺の頭をぽんと叩いた。

393 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:08:28.06 ID:oA/GArUyO
 この人、思ったよりまともだ。

まともで、良い人なんだ。

…ただ、


阿部「そういうわけだ、ドクオ。特別指導 や っ て や る ぞ」

 こういうことさえ言わなければもっと良い先生だったのに。

('A`)「だ、だが断るゥゥゥッ!」

395 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:12:59.70 ID:oA/GArUyO
思い切って俺は聞いてみる。

('A`)「つか、何でそんなに俺に構うんすか」

 阿部は少し間を置き、こう言った。

阿部「お前が、可愛いからさ」

('A`)「うわあああああああ」

 言葉が終わる前に走って逃げ出した。

 やばいやばい寒気した!

 やっぱ阿部先生はまともではないのかもしれない。



――…



そんなわけで。

397 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:17:35.27 ID:oA/GArUyO
 俺は今、家にいる。今日もいろいろあったなあ、とまだ寝る前でもないのに考えてしまうのは青春している証拠だったりするのだろうか。

青春、ねえ。

*(‘‘)*「にーちゃあああっ、なに考えてるのさあ?」

('A`)「おお、ヘリカル。帰って来たのか」

*(‘‘)*「うん!なんかおひさしぶりですなあっ!? にーちゃがヘリカルをお出迎えてくれるのっ!」

('A`)「だな」

398 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:22:27.43 ID:oA/GArUyO
*(‘‘)*「こうゆうのも、なんかヘリカル嬉しくなるっ!」

('A`)「そうか。で、芋掘りどうだった?」

*(‘‘)*「楽しかったよっ!!うふふヘリカルね、いっぱいお芋とったんだあ!!」

J( 'ー`)し「そうなのよ。しかも一番大きいお芋、ヘリカルが掘り当てて」

('A`)「カーチャンもお帰り」

…ん? 芋をたくさんとったってことは。まさかとは思うが今日の夕飯が芋尽くしになるなんてないよな。

399 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:25:59.31 ID:oA/GArUyO
 まさかでした。
今日のご飯は芋尽くし、オンパレード。

まあ食べるけどね。別段文句があるわけがない。
可愛い妹の努力の結果、おいしく頂こうではないか。

*(‘‘)*「うひゃあ!!てらうますっ!」

J( 'ー`)し「“おいしい”でしょ、ヘリカル」

*(‘‘)*「てらうますー!」

あ、カーチャンがこっち見てる。
俺は黙って目を逸らした。

403 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/08(木) 21:36:36.14 ID:oA/GArUyO
 

――…

*(‘‘)*「あいわなびあびっぷすちゃーきみがずっとお」

('A`)「夢中なそれなんてエロゲー」

('A`) *(‘‘)*「きたこれのびっぷすたー」

 今、俺とヘリカルはこの歌を歌い終わったら湯船から上がる、という毎度お馴染みの遊びをやっていた。

 だが良い所でヘリカルは閉口してしまった。

('A`)「どうした?」

*(‘‘)*「うーん、このうたもうたい飽きたなあってさあっ…」

443 :作者 ◆9qR5dPz92I  :2007/02/09(金) 10:27:09.05 ID:X9wQeOkNO
('A`)「飽きたって言われてもなー」
*(‘‘)*「サーセンwwww」
('A`)「ちょ、サーセン言うな。ろくな人間になれないぞ」

  夏休みぶっ通しでエロゲするお前の兄をよく見てみろ。あんな廃人になりたいのか?

*(‘‘)*「うゆ…。ヘリカル新しい歌知りたいのっ…、教えてくれるまで出してあげないんだからあっ!!」
('A`)「うーん…」

  じゃあハレ晴れでも教えるか?
  さすがにさくらんぼナースはまずいだろう。もしヘリカルが幼稚園で熱唱したら、恐ろしい事態に陥るだろう。

('A`)「じゃあ教えるからよく聞けよ」

*(‘‘)*「うんっ!」

444 :作者 ◆9qR5dPz92I  :2007/02/09(金) 10:27:36.74 ID:X9wQeOkNO
 

――…

<('A`) *(‘‘)*「ある晴れたひーのことー」

J( 'ー`)し「…ふふっ」

  …後日知ったが、俺とヘリカルの歌声は居間にいるカーチャンの耳まで聞こえて居たようだ。
…ハズカシイ。





  パチン、と部屋の電気を消した。カーテンからの月明りが、ぼんやりと部屋を照らしている。

(-A-)「お、やすみ…」

  意識は深い闇に落ちていった。


――三日目、終了。

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