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468 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:04:19.60 ID:1fa/cHfTO
――五日目。
ジリリリリリ! ジリリリリリ!
…おお、朝から元気なことだね。
ジリリリリリ! ジリリリリリ!
いや、うるさいんだけどね君。
ジリリリリリ! ジリリリリリ!
…いや、だから
(┏゚A゚)┏「うるせえっつってんだろうがあああああああああああああ」
J(#'ー`)し「それはこっちのセリフじゃぼけ」
(┏゚A゚)┏「………」
469 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:08:18.37 ID:1fa/cHfTO
まあ、とりあえずだ。起きれたから良いじゃないか。うん、それでいい。生きてるだけで素晴らしい!
('A`)「今日で今週の学校も最後。明日は土曜だ」
(゚A゚)「つまりッ! この日が終われば自由が訪れるのだッ!!」
着替えながら自分に喝をいれる。
……いや、俺学校で寝てるだけじゃね?
ははは何を言う。俺(悪魔)は俺(天使)に嘲笑をくらわせた。
472 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:12:56.07 ID:1fa/cHfTO
('A`)「さ、行きますか」
準備完了した時、まだ時間は七時。
('A`)「いや、早過ぎるだろ…」
うーん。でもせっかく早く起きたしなあ。
どうする? 俺!?
**選択肢発生**
1.学校行く
2.コンビニに寄る
3.家でごろごろ
482 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:18:04.61 ID:1fa/cHfTO
('A`)「学校行くか。うん」
まあそんなに大した時間じゃないよな。ここまで張り切って誰もいなかったら泣くけどさ。
('A`)ノ「カーチャン行って来るよ」
J( 'ー`)し「気をつけてね」
('A`)「はーい」
外に出る。
自分の鼻息が白くなってることに引いた。
486 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:29:26.49 ID:1fa/cHfTO
――…
うわ、今日も寒いよ。本当に嫌になる。
――寒い、か。
昨日のことを思い出した。
今日ツンに会って、話をしなければならない。
昨日のあれは言わないとしても、あの涙は胸に残る。
('A`)「(なぜ、なんだろう)」
確かめなくてはならない。ツンの気持ち、知らなくては――
('A`)「(………)」
いろいろ考えているうちに学校が見えて来た。
488 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:34:51.38 ID:1fa/cHfTO
自転車置き場は当然ながらすかすかだ。一番取りやすいよう端に置いておく。ここ人気なんだよな…すごい地味な『人気』だが。
阿部「ああドクオ、今日はものすごい早いんだな」
('A`)「ええまあ。先生も早いんですね」
阿部「ああ、顧問だからな俺は。いろいろな器具を用意してやらなきゃならないだろう? 性的な意味で」
('A`)「ははは。朝からすごい冗談ですね。では」
阿部「おうまたな」
…………
………
……
あれえええええ?
492 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:38:30.48 ID:1fa/cHfTO
下駄箱にきて気付いた。
普通に会話して普通にスルー出来たよ俺!! 成長したってことなのか? 嫌だなこんな成長!
(;'A`)「……」
阿部の気配がないから辺りを見回す。
そういえば今は人がいない。もし…その、襲われたりなんかしたら逃げ場がない。
自分のケツは自分で守らなきゃいけないよ。
(;'A`)「警戒レベル5!」
いま見つかったら尻隠して頭隠さずになるね、絶対!
495 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 20:41:39.23 ID:1fa/cHfTO
いやはやしかし先ほどのスルーは華麗だった。自分で自分褒めちゃうよ。
ふと窓を覗くとジャージのしぃの姿があった。
阿部先生と熱心に話し込んでいるようだ。強いな。
('A`)「さて、教室行きますか」
俺は長い長い階段を登り始めた。
14 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:20:32.14 ID:1fa/cHfTO
長い長い階段を登り終え、ようやく教室に着いた。
誰がいるんだろう。それとも誰もいなかったりしてな。
勢いよく扉を開ける。
そこには、見慣れた黒い長髪。
川 ゚ ー゚)「おはよう」
('A`)「やっぱりお前か」
17 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:24:41.27 ID:1fa/cHfTO
川 ゚ -゚)「やっぱりとはなんだ。こっちは驚かせようとしたんだぞ。わざわざ遅くまで起きて」
ぷう、と頬を膨らます。
('A`)「病み上がりの奴が何言ってるんだよ」
川 ゚ -゚)「ふっ…それもそうだな」
クーと話すようになるまでは全く気付かなかったが、クーはわりと子供っぽいと思う。
仕草や言動も時々ものすごく可愛らしいことを言ったりするしだ。
('A`)「わかんねえよな、お前って」
川 ゚ -゚)「? なんのことだ」
いいや独り言だと首を振る。
24 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:29:40.80 ID:1fa/cHfTO
川 ゚ -゚)「独り言ってハゲるらしいぞ」
(;'A`)「なっ! 俺の親族にハゲはいない! 大丈夫だ!」
川 ゚ ー゚)「ほう」
('A`)「つーかなんだよ昨日のメール! ひらがなばっかで読みにくいぞ!」
川 ゚ -゚)「……え?」
川 ゚ -゚)「携帯って……漢字打てるのか……?」
( 'A`)
('A` )
('A`)
川;゚ -゚)「いや、こっちみるな」
26 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:34:38.45 ID:1fa/cHfTO
( 'A`)「あのー…ですね? クーさん?」
川;;゚ -゚)「な、なんだ」
( 'A`)「携帯は日々進歩しておりまして。今やインターネットもできる時代なんですよ」
川;;゚ -゚)「え、電話とメールだけじゃないのか!?」
('A`)「………」
川#゚ -゚)「ば、馬鹿にするなよ!」
('A`)「へいへい。ちょっと貸してみな」
クーの携帯を借りて使い方を教える。変換の仕方と改行。ついでに絵文字。
絵文字はクーから(はぁと)なんて来たら嬉しいから独断と偏見で教えた。後悔も反省もしていない。
川 ゚ ー゚)「へえ。携帯ってすごいんだな」
('A`)「(ある意味クーの方がすごいぞ)」
天然記念物ものだぞ。保護しなくては。
32 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:38:08.06 ID:1fa/cHfTO
川 ゚ ー゚)「これで今日からまともな文章が持てるな」
('A`)「ん? そういえばこの前お前が保健室行った時にツンにメールしてたよな? あの文章ってまさか」
川 ゚ -゚)「ぜんぶひらがなだ」
('A`)「ツンすげえ…」
いや、その前に教えてやれよ。
('A`)「そういや俺に用があるんだろ?」
そろそろ本題に戻す。このままじゃ脱線したままチャイムを迎えそうだ。
36 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:40:16.32 ID:1fa/cHfTO
川 ゚ -゚)「お前を呼び出した理由……」
あれ?
気のせいだろうか。クーの瞳から光が消えた。
川 ゚ -゚)「理由はな」
この声の発し方は聞き覚えがある。
現実みのない声。自分で自分の声に迷っているような――昨日の高岡先輩のときのだ。
40 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:43:03.25 ID:1fa/cHfTO
川 ゚ -゚)「それは、な」
急に距離が近付く。クーは前屈みになって俺の顔を凝視していた。
川 ゚ -゚)「お前としたいからだ」
('A`)「……え?」
目的語が抜けている。これでは会話にならない。
――それよりも、クーの様子がおかしいのだ。
さっきまで屈託のない笑みを浮かべていたのに、どこか嘘っぽい表情を浮かべている。
川 ゚ -゚)「――だから」
44 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:47:47.14 ID:1fa/cHfTO
('A`)「言うなッ!」
たまらず叫んでいた。
次の言葉が、何となく分かる。それをクーには言って欲しくなかった。
('A`)「お前、なんかおかしいぞ? さっきまでとは違う――熱でもあるんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「――っ! うるさいっ!!!」
('A`)「え?」
体が、浮いた。
47 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:50:52.57 ID:1fa/cHfTO
('A`)「いっ!!」
壁にしこたま背中をぶつけた。クーに押されたせいだ。
川 ゚ -゚)「あいつに奪われる前に――ドクオと、私はッ」
体が押しつけられ、密着する。
川 ゚ -゚)「頼むよ…私の、お願いだ……」
川 ゚ -゚)「さっきみたいにもうお前と話せなくなるかも分からないんだ。だから――」
48 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:51:23.15 ID:1fa/cHfTO
川 ゚ -゚)「私を抱いてくれ」
54 :作者 ◆9qR5dPz92I :2007/02/20(火) 22:55:54.17 ID:1fa/cHfTO
(;'A`)「――ッ」
なにがなんだか分からない。
だがクーの焦りは悲しいほどに伝わって来る。
――話せなくなるかも分からない
どういうことだよ。
川 ゚ -゚)「…ドクオっ…」
クーは背中に腕を回し、俺を見上げる。
泣きそうなその瞳からは虚無感に満たされていた。
川 ゚ -゚)「おねがいっ、だっ!!」
**選択肢発生**
1.する
2.しない