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4 : ◆oo2A7K7DN2  :2007/02/10(土) 12:23:36.38 ID:KkaFNCdY0
第二話



 それから数日、話し掛けるタイミングが掴めずずるずると同じ状態を引き摺っていた。相変わらず
ドクオには目が合ってもすぐに逸らされていた。
 もう修復不可能なところまで来てしまったのだろうか・・・弱気な考えが胸を過ぎる。
 間を開けてしまったせいで酷くドクオが遠く感じ、寂しくて元から真面目に聞いていない授業も全く
頭に入ってこなかった。

( ^ω^)(僕は・・・本当はドクオのことをどう思ってるんだお)

 ずっと近くに居たせいでそんなことは考えもしなかった。一緒に居るのが当たり前の親友、そんな
存在だった筈だ。
 しかしその関係もあの夜自分がしたことによって粉々に崩れてしまった。
 何故途中で止められなかったのだろう?冗談では済まないところに至る前に。

( ´ω`)(ドクオ・・・)
 

5 : ◆oo2A7K7DN2  :2007/02/10(土) 12:24:12.01 ID:KkaFNCdY0

 側にいないだけでこんなにも寂しい。ドクオが心を占める割合はいつの間にか何よりも大きくなって
いたようだ。
 ぽっかりと何かが抜け落ちた心で呟いた。
 ―――自分の方じゃないか、ドクオなしでいられないのは。
 その呟きで唐突に自覚した想いに顔が熱くなっていく。
 それではまるで・・・恋愛対象として好きと言ってるようなものだ。

(;´ω`)(だっだめだお!)

 本当に好きになのだとしたら、僕はガチホモということになってしまう。ドクオはホモと話すことは
無いと言っていた。
 このままでは和解するどころかもっと嫌われるのでは・・・かと言ってこの想いを否定することも
出来そうにない。混乱して頭の中が真っ白になった。

( ´ω`)(僕は・・・どうすればいいんだお)
 

6 : ◆oo2A7K7DN2  :2007/02/10(土) 12:24:47.24 ID:KkaFNCdY0

 わからなくなって途方に暮れた。
 しかしそれでも時間は過ぎて行き、昼休みに入った教室はガヤガヤとうるさくなる。
 購買でパンを買って教室に戻ると、クラスの男子に誘われたが断って一人寂しく焼きそばパンを齧った。
 食べ終わってゴミを捨てに行こうとした時に、ふとドクオを見遣ると目が合った。

('A`)「・・・・」
( ^ω^)「・・・・」

 常のようにすぐ逸らされることはなくそのまま無言で見詰め合った。先に嫌な沈黙を破り席を立った
が、予想外にドクオも席を立って同じ方向に歩き始める。
 ゴミ箱の前に着くと、どういうつもりかドクオが側に近付いて来た。

(;^ω^)「・・・・」
('A`)「・・・・・内藤」

 何も言い出せず緊張でドキドキしていた僕にドクオの方から話し掛けられた。吃驚して返事も出来ない。

('A`)「今日・・・放課後空いてるか」
(;^ω^)「あ、空いてるおっ」
('A`)「じゃあちょっと付き合ってくれ」
( ^ω^)「わかったお」
 

7 : ◆oo2A7K7DN2  :2007/02/10(土) 12:25:36.95 ID:KkaFNCdY0

 そう答えるとドクオはまた席に戻って行った。
 思いがけず与えられたチャンスに、嬉しさと昂揚感で叫びそうになる。これで上手くすれば元の
関係に戻れるかも知れない。
 昼休みが終わり、授業中の1分1秒が何時間にも感じられてもどかしかった。
 やっと放課後を告げる鐘が鳴り、荷物を纏めてドクオの席の前に行った。
 気付いたドクオが僕を見て少しきまずそうに言った。

('A`)「俺んち行くけど・・・いいか」
( ^ω^)「勿論だお!」
('A`)「んじゃ行くぞ」

 歩き出したドクオを追って教室を出た。
 校舎から出て自転車に乗りドクオの家へと向かう。場所も道も知っている為終始無言だった。
 流れる空気が重かったが後ろを走っているせいでそれ程でもない。
 家の前に着き、自転車を脇に寄せて玄関を潜った。

('A`)「ただいまー」
J( 'ー`)し「おかえりー。あら内藤君いらっしゃい、この間はごめんねー」
( ^ω^)「いいんですお。ちょっとお邪魔しますお」
J( 'ー`)し「ゆっくりしていってねー」

 挨拶も早々にドクオの部屋へ入って行った。



二話おわり

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