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――…二日目


 日の光が目にしみる。どうやら朝が来たようだ。起きなくてはならない。学校に遅刻してしまう。
――だが、

(-A-)「(ここですんなり起きれないのが学生ってもんだよな)」
俺はちょうどいい暖かさの布団にしがみついた。冬の朝、このぬくもりは大変名残惜しい…。
(-A-)「(ちょっとだけ…)」
(-A-)「(ちょっと……だ…け…)」

|'ー`)し ジー

(-A-)「………」

|'ー`)し ジー

(;-A-)「………」

|'ー`)し ジー

(;-A-)「(こ、この気配…)」

92 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:21:09.76 ID:JBZe7/k+O
間違いない。カーチャンだ。カーチャンが某家政婦のように、壁から俺をずーっと見ている。

(;-A-)「(何故…何故だ! 何故声を…かけない!)」
 いやいやほんと、気になって眠れねえよ。

|'ー`)し ジー

 まだ見てる。何故…何故なんだ。

|'ー`)し クスリ

 …ちょ、

(゚A゚)「何故今笑ったああああ!?」

我慢の限界が来た俺は、捨てがたいぬくもりを蹴り飛ばした。もう眠る気も失せたよバーロー!

93 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:21:44.24 ID:JBZe7/k+O
 こういうのヤバい。マジヤバい。寝れない、絶対寝れない。さっきまでの眠気嘘みたいに消える。マジヤバい。怖くて無理、意味も分からないのに笑われたら死にそうな気分になる。マジヤバい。

 というようなことを喚くと、カーチャンはまたクスリと笑って、
|'ー`)し「ドクオの寝顔が可愛かったからだよ」
とか言ってきた。

もう返す言葉がなかった。

94 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:22:14.71 ID:JBZe7/k+O
カーチャンの謎の奇行のおかげで、遅刻しないで済みそうだ。というか、早く来過ぎなのかもしれない。

('A`)「学校到着!…だがしかし」

いつもあいさつ運動やらで盛り上がっている校門は物音ひとつしない。ちらほらと登校している生徒が見えるが、それもわずかだった。

(;'A`)「これは早過ぎかも分からんね…」

携帯の時計を確認すると八時十五分。九時登校のこの学校でこの時間は早すぎる。

95 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:23:06.97 ID:JBZe7/k+O
 カーチャンとの空気が何となく気まずくて逃げるようにきてしまったが、失敗のようだ。

('A`)「…どうすっかな」

いつも校庭をぐるぐる死にそうな顔で走っている野球部の姿も今日はない。野球部にはジョルジュやちんぽっぽがいたから暇潰しすることも出来たのに。なんで居ねえんだよ!

96 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:23:34.76 ID:JBZe7/k+O
 …立ち止まっていても仕方がない。とりあえず教室に行くか。
('A`)「…、ふう」
教室着いたらどうしよう。そんなことを考えながら俺は階段を登って行った。

――…

ガラッ!
せめて扉の音くらいは元気良く、と思ったのが間違いだった。

川 ゚ -゚)「…朝から騒々しいぞ」
('A`)「す、すまん」

風紀委員長のクーさんは俺をすっと一瞥して、また前に向き直る。

97 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:24:28.48 ID:JBZe7/k+O
 俺が来る前からずっとそうやって自分の椅子に座って居たのだろうか。背筋もピシッと伸ばして、誰が見ているという訳でもないのに。

そう思うとなんだかおかしくなってきた。
 誰もいない教室で、何もしないで真っ直ぐ黒板だけを見て。

('A`)「ぷっ、」
思わず息を洩らすと、クーさんは前を向いたまま俺に問い掛けて来る。
川 ゚ -゚)「…何がおかしい?」
('A`)「…いや、」
あれを言うのは可哀相な気がしたから、
('A`)「暇じゃないのかな、って」
ちょっと逸らして聞いてみた。

99 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:26:35.51 ID:JBZe7/k+O
川 ゚ -゚)「…暇?」

 怪訝な顔をするクーに慌てて説明した。

('A`)「い、いや、一人でぼーっとするのって暇じゃないのかな、って」

川 ゚ ー゚)「ふ…。もちろん暇だ」

 ちょ、初めて笑った顔を見た。
 …いつも無表情というイメージが定着していたからか、その笑顔はものっすごく可愛く見えてしまって。

('A`)「…あ、やっぱそうだよね」

遅れて返すも俺の頭はいっぱいいっぱいだった。

(*'A`)「(こんなに柔らかく笑うやつだったんだな…)」
なんだか嬉しい発見だ。

100 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:27:12.61 ID:JBZe7/k+O
('A`)「そもそも何でこんな時間にいるんだ? …もしや毎日この時間に来てるとか」
確かクーさんが遅刻したことがなかったことを思い出し、付け加えた。

川 ゚ -゚)「ああ、そうだ」

まさかと思ったがあっさり肯定される。

川 ゚ -゚)「せっかく皆が委員長に選んでくれたんだ、遅刻などもっての他だろう?」

('A`)「だからってこんな早くにか?」

101 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:27:53.61 ID:JBZe7/k+O
川 ゚ ー゚)「私は中途半端は嫌いなんだ」
 …また笑った。
(*'A`)「ちゅ…中途半端ねえ…」

 さすが委員長に選ばれるだけあって責任感あるんだな。…あり過ぎて空回って居るような気もするが。

川 ゚ -゚)「私も聞きたいことがあるぞ」

('A`)「?」

 なんだなんだ?

川 ゚ -゚)「なんでお前、今日はこんなに早いんだ?」

('A`)「あー…」


*選択肢発生*

1.朝のことを話す
2.まあ気にするなよ
3.クーさんに会えると思って

108 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:38:58.22 ID:JBZe7/k+O
 朝からカーチャンに謎のプレッシャーを与えられたせいってのもな…。なんか恥ずかしい。
 クーさんは濃紺の瞳を輝かせてこちらを見ている。そんなに理由が気になるのか。
 …すまんが理由に使わせて頂こう。

('A`)「…、クーさんがさ」
川 ゚ -゚)「私が?」
('A`)「いるかなーって」
川 ゚ -゚)「……!」

何てな、冗談さ冗談。
…と言える空気ではなくなってしまった。

109 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:41:51.32 ID:JBZe7/k+O
川////)「あ…そ、それはどういう意味なんだ?」

クーさんの様子が変わった。白い頬に赤みが差し込み、目は伏せられる。

 う、まさか気持ち悪いって思われたか…?

('A`)「く、クーさんならこの時間にもいそうだなーってさ!」

 苦し紛れに弁明してみる。すまん、ほんのジョークさHAHAHA…とはもちろん言えない。

川*゚ -゚)「そ、それは」

 凛とした瞳が向けられた。

110 名前: ◆mm5o4NoNBg 投稿日: 2007/02/04(日) 16:45:36.04 ID:JBZe7/k+O
川*゚ -゚)「私に会いたかったってことなのか?」

(*'A`*)「っ…」

真摯な瞳に見つめられて、俺は答えにつまった。

――ただ、もしも俺がノーと言ったらもう二度とあの笑顔が見れないような気がして。
――だから俺は、



('A`)「あ、会いたかった」

 そう答えてしまった。


126 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 19:25:37.85 ID:JBZe7/k+O
川*゚ -゚)「…ドクオ…」
(*'A`)「…クー、さん」

どきが、むねむね。
こんなきれいな人がこんな熱っぽい視線を送っている。しかも、俺に。
 見つめてくるから見つめ返す。

流れる黒髪、白い肌。上気してあかく染まる頬。基準丈より少し長めのスカートからはすっと伸びた長い足がのぞいている。
ブレザーを着てしまうとよく分からないが、胸元は決して貧しくはないはずだ。いや、むしろ豊満だろう。綺麗な丘がブラウスを押し上げている。

(*'A`)「(あ、朝から刺激が強いぜ…)」
127 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 19:26:09.21 ID:JBZe7/k+O
川*゚ -゚)「…なんだ、さっきから…」
('A`)「ご、ごめん」
 いかんいかん。このままじゃ変質者だ。
せっかく仲良しフラグが立ちそうなのに刹那でへし折りたくはない。

――カラン
 クーさんの髪止めが落ちた。
川 ゚ -゚)「…あ、」

128 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 19:26:44.36 ID:JBZe7/k+O
クーさんが拾おうと身を屈めた。

そして、俺は見てしまった。

 わずかに空いたブラウスの胸元から見える、双丘の谷――



(゚A゚)「ピキーン」



 覚 醒 し ま す た 。

130 名前: 作者 ◆9qR5dPz92I 投稿日: 2007/02/04(日) 19:27:22.54 ID:JBZe7/k+O
 …さあ、どうしたらいい。

 大変恥ずかしいことなのだが詳しく説明しよう――まあ簡単に言えば、股間が反応してしまった。もっと簡単に言えば、俺のきのこがむくむく育ってしまったのだった。
 これは即刻の対処が必要だ。

それよりだ、こんなところをクーさんに見られちゃまずい、べらぼうにまずい。
 何かうまく誤魔化せる方法はないのか…、考えろ、考えるのだ。

 …どうする、俺!!


*自由記述発生*
 内容によってクーの好感度が上下します。今後のことをよく考えて書いてください

 押し倒す    生理反応だと開き直る

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